40〜50代の扉を開く:更年期を理解する

40〜50代の扉を開く:更年期を理解する
〜女の一生の新たなステージ〜
「困難な日も、こんなんな日も」の管理人、こんなんさんです。
「更年期」って言葉、なんとなく知ってるけど、実際どんなもの?と感じますよね。今日は更年期のキホンをざっくりお話しします。
まず、一番大切だと思っているのは更年期は「病気」ではなく、女性の体の自然な変化なんです。でもその変化の影響は人それぞれ。症状も対処法も十人十色です。
「なんか最近調子悪いなぁ」って思ってる40〜50代のみなさん、この記事が体と心の変化を理解するヒントになればうれしいです!いっしょに学んでいきましょう。
■ 更年期って何もの?一生の大きな転換点
いつからいつまで続くの?
更年期はかんたんに言うと「月経が終わる前後の時期」となります。
閉経(最後の生理)の前後約10年間、だいたい45歳〜55歳くらいが一般的です。
閉経は平均50〜52歳頃に来ると言われていますが、更年期症状は人によってバラバラ。私は42歳という早めのタイミングで更年期症状が出始めました。
更年期は大きく3つの時期に分けられます:
- 更年期前期:生理あり、周期や量が変わってくる時期
- 閉経周辺期:生理が不規則、だんだん間隔が開いていく時期
- 更年期後期:最後の生理から1年以上たった時期
この変化はいきなり起こるのではなく、ゆっくり数年、人によっては10年以上かけて進むのが特徴です。
女性ホルモンはどう変わっていくの?
更年期の主役は「女性ホルモン」。とくに大事なのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類です。
エストロゲンは、女性らしい体つきを作るだけではなく、骨の健康維持、コレステロール調整、肌や髪の健康維持など、めっちゃ働き者なんです。
プロゲステロンは、生理周期の調整や妊娠維持に重要な役割を果たしています。
40代に入ると、卵巣の機能がだんだん低下し始めて、これらのホルモンの分泌量が減ったり不安定になったり。とくにエストロゲンのガタガタした変動が、いろんな更年期症状を引き起こす原因になってるといわれています。
この変化は「老化」ではなく、女性の体の自然な変化のプロセスなんです。私のときは「60代の閉経後のホルモン量」って言われてびっくりしましたけど、早めに気づけて治療も行い、年相応のホルモン量に戻っているので、ラッキーだったなと思っています。
■ こんな症状が出たら、更年期かも?
更年期の症状は本当にいろいろ。体のことから心のことまで、いろんな不調として出てきます。でも、全ての女性が同じ症状を経験するわけじゃありません。症状の強さも人によって全然違います。
自分や周りの女性が出している小さなSOSに早めに気づけるように、主な症状を紹介しますね。
よくある体の症状
1. ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ) いきなり上半身や顔がカーッと熱くなり、その後汗がジワッと出てくる。数秒から数分間続いて、昼も夜も関係なく起こることも。電車の中やエレベーターで起こると本当につらいですよね。
2. 寝汗・夜の汗 寝てる間に大量の汗をかくことで、パジャマや布団を替えなきゃいけないくらいのときも。これで睡眠が妨げられて、日中の疲れにつながります。
3. 眠れない なかなか眠れない、途中で目が覚める、朝早く目覚めちゃうなど、いろんな睡眠トラブルが出ます。わたし自身、更年期の最初のサインは「眠れなくなった」ことでした。
4. 疲れやすい・だるい 普段の活動でも異常に疲れを感じる、体が重く感じるなどの症状が出ることも。
5. 関節痛・筋肉痛 とくに手足の関節や背中の痛みを感じることがあります。いわゆる「更年期の肩こり」は想像以上につらいものです。
6. 頭痛・めまい 片頭痛が悪化したり、めまいを感じたりすることがあります。
7. ドキドキ・息切れ 心臓がドキドキする、階段を上がると息切れがする、といった症状を感じることがあります。
8. 体温調節の乱れ 「朝は汗をかくのに、夕方になると首周りが急に冷えて、首こりや頭痛につながる」といった、一日の中でも体温調節がうまくいかないことがあります。
9. 体重増加・体型の変化 代謝の変化で、同じ食生活でも体重が増えやすくなって、とくにお腹に脂肪がつきやすくなります。
10. 肌や髪の変化 肌の乾燥、しわの増加、髪のパサつきや薄毛など、エストロゲン減少による変化が出てきます。
11. 膣の乾燥・性交痛 膣の粘膜が薄くなって乾燥しやすくなることで、不快感やセックスの時の痛みを感じることがあります。
よくある心の症状
1. イライラ・怒りっぽくなる ちょっとしたことに過剰に反応したり、怒りを感じやすくなったり。
2. 気分の落ち込み・憂うつ 悲しみや空っぽな感じ、絶望感などを感じることがあります。ひどい場合は、うつ病に発展することも。
3. 不安感の増大 なんとなく不安や心配が増えて、パニック発作を起こすこともあります。
4. 集中力・記憶力の低下 「ブレインフォグ」と呼ばれる、頭に霧がかかったような状態になって、集中できない、物忘れが増える、といった症状が出ることがあります。
5. 自己評価の低下 見た目や能力の変化で、自信がなくなることがあります。
6. 感情の起伏が激しくなる 泣きやすくなる、感情のコントロールが難しくなる、などの変化が出てくることがあります。
これらの症状は更年期だけのものじゃなくて、ストレスや他の病気でも出る可能性があるので、気になる症状があれば、婦人科や心療内科などを受診することをおすすめします。
■ 更年期と更年期障害:何が違うの?
更年期の間に、何らかの不快な症状を経験する女性は70〜80%くらいって言われています。ただし、その程度は人によって全然違います。
「更年期」と「更年期障害」の違い
更年期は、女性の一生の中の自然な変化の時期のこと。生理がだんだん終わっていく約10年間の期間です。
一方更年期障害は、更年期に起こるホルモンバランスの変化で、日常生活に支障が出るほどの症状が出ている状態を指します。つまり「更年期障害」は治療が必要な状態となります。
更年期は誰もが経験しますが、更年期障害になるのは一部の人です。ただ、その「一部」も実はけっこう多く、何らかの症状で日常生活に影響がある女性は全体の20〜30%くらいとされているんです。
更年期障害の診断基準
更年期障害の診断は、主に以下のことを考慮して行われます:
- 年齢(40代後半〜50代前半が典型的)
- 生理の変化(不順や減少)
- 更年期に特徴的な症状(ホットフラッシュなど)
- 他の病気による症状じゃないことの確認
- 血液検査でのホルモン値(FSH値の上昇など)
診断の時には、更年期症状の重さを測る「クッパーマン指数」や「日本更年期医学会更年期症状評価表」などのスケールが使われることもあります。これらは、各症状の有無や程度を点数化して評価するものです。
お医者さんは、問診や身体診察、必要に応じて血液検査や他の検査を行って、これらの要素を総合的に判断して診断します。
■ 日本の更年期治療:どんな選択肢がある?
更年期症状が軽ければ、生活習慣の改善やセルフケアで対応できることもあります。でも、症状が日常生活に支障をきたすレベルなら、病院での治療を検討することも大切です。
日本での更年期治療は、主に以下のような選択肢があります:
1. ホルモン補充療法(HRT)
女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を補う治療法です。更年期症状の緩和に一番効果的とされています。わたしもこの治療を行っています。
いいところ:ホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状に効くし、骨粗しょう症や心血管疾患のリスクを減らすのにも役立ちます。
考慮すべきところ:乳がんや子宮内膜がんなどのリスクが微増すると言われているので、使う前にはリスクとメリットをお医者さんとよく相談することが大事です。
2. 漢方薬
日本では更年期症状に対して漢方薬がよく使われています。体質や症状に合わせて処方されます。
よく使われる漢方薬:
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え症や貧血傾向のある人
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせや頭痛がある人
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラ感や不安感がある人
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):不安や不眠がある人
漢方薬は比較的副作用が少なくて長く使えますが、効いてくるまでに時間がかかることがあります。
漢方薬は、ホルモン治療と組み合わせて使われることもあります。わたしも更年期治療の一環として漢方薬の処方もときどき組み合わせています。
3. 抗不安薬・抗うつ薬・睡眠薬など
心の症状(不安、落ち込み、不眠など)が強い場合には、心療内科などで適切な薬が処方されることもあります。
これらの薬は症状を和らげる効果がありますが、根本原因のホルモンバランスの変化に直接働きかけるものではありません。症状に応じて、専門医のもとで処方されます。
4. 薬以外の方法・生活アドバイス
薬と並行して、生活アドバイスが行われるますが、わかっていても難しいですよね:
- 適度な運動(ウォーキング、水泳、ヨガなど)
- バランスの良い食事
- ストレス管理(リラックス法、瞑想など)
- 快適な睡眠環境づくり
- 禁煙、お酒を控える
5. サプリメント
イソフラボンなどの大豆製品、カルシウム、ビタミンDなどのサプリメントが補助的に使われることも。ただ、効果には個人差があって、お医者さんに相談してから使うのがいいですよ。
■ 更年期治療はいつ始める?
更年期治療は「症状が生活に支障をきたしてるかどうか」が大きな判断基準になります。以下のような場合は、婦人科などの医療機関を受診することを検討しましょう:
- 日常生活や仕事、人間関係に影響が出ている
- ホットフラッシュや寝汗がひどくて、眠れない
- イライラや気分の落ち込みが続いて、自分でコントロールできない
- 自分で対処しようとしても良くならない症状がある
病院では、年齢や症状だけじゃなく、家族歴や病歴、生活習慣なども考慮して、一人ひとりに合った治療プランが提案されます。
私の場合は42歳の時に内科を受診し、採血の結果「60代の閉経後のホルモン量」と診断されました。その後、婦人科での更年期治療を始めて、46歳で症状が悪化したときには心療内科も受診しました。
「治療ははずかしい」「我慢すれば大丈夫」と考える人もいますが、つらい症状が長く続くことで、心と体の健康に悪影響を及ぼします。今は更年期をより快適に過ごすための選択肢が増えてるので、一人で抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。
■ 新しいステージにどんな装飾をほどこすか
更年期は終わりじゃなくて、人生の新しいステージへの移行期間。
この時期を元気に過ごすには、まず更年期を正しく理解して、自分の体と心の変化に敏感になることが大切です。症状に早めに気づいて、必要なケアや治療を受けることで、更年期の変化を穏やかに乗り越えられます。
「40代を過ぎたら更年期という変化が来る」ということを自然な流れとして受け入れる世の中になっていって欲しいのです。お互いご自愛しながらこの新しいステージに生きていくか、いっしょに考えていきたいと思っています。
「困難な日も、こんなんな日も」
── 管理人 こんなんさん
※この記事についてのご感想や、あなた自身の体験談などがありましたら、ぜひコメント欄でシェアしてください。みなさんの声が、次の記事の励みになります。
*「こんなんな日も」とは、「こんなん出た」、「こんなんいるー?」など、関西弁から取りました。ただ、管理人は関西人ではありません…。