カラダの変化

「更年期」と「うつ病」の交差点に立つわたしたち

konnansan

「更年期」と「うつ病」の交差点に立つわたしたち

「困難な日も、こんなんな日も」の管理人、こんなんさんです。

今回は、40〜50代の女性が経験することの多い「更年期」と「うつ病」について、この両者の複雑な関係性や似ている点、異なる点について、わたし自身の経験を交えながらお話ししたいと思います。

更年期とうつ病は、時に互いに影響し合い、明確にどちらなのか判別しづらいことがありますね。「なんだか気分が優れない」「体がだるい」という症状が、ホルモンバランスの変化によるものなのか、うつ病からくるものなのか…。その境界線に立つことの難しさを、多くの同世代の女性が感じている気がするのです。


■ 更年期とうつ病、紛らわしい共通点

身体的な症状の共通点

46歳のある日、突然わたしを襲った強烈な倦怠感。

「二日酔い疲れ?」と思いつつもただただ体が鉛のように重い。仕事に行く準備をするだけで息が切れるほどでした。

更年期もうつ病も、こうした強い疲労感や倦怠感がシグナルのひとつ。どちらも日常生活に支障をきたすほどの疲れを感じることがあります。

他にも共通する身体症状には:

  • 睡眠障害:なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、または逆に朝起きられないほど眠る
  • 食欲の変化:何も食べたくなくなったり、逆に食べることでストレスを紛らわす(わたしの場合、食べることで体重が10キロ増加しました)
  • 頭痛やめまい:慢性的な頭痛や、立ちくらみのような症状
  • 肩こりや筋肉の痛み:体が重くて動かしたくない、関節が痛む

わたしの場合、とくに睡眠の問題が顕著でした。「眠れなくなってしまった」というのが最初の異変だったのです。そして、その後に不安感やパニック発作へと発展していきました。

精神的な症状の共通点

精神面でも、たくさんの共通する症状があります:

  • イライラ感や落ち着きのなさ:理由もわからず怒りっぽくなる
  • 気分の落ち込みや憂うつ感:なんとなく気分が晴れない日々が続く
  • 不安感の増大:漠然とした不安や心配が頭から離れない
  • 集中力の低下:仕事や家事に集中できない、「ブレインフォグ」のような状態
  • 記憶力の低下:物忘れが増える、言葉が出てこない
  • やる気の減退:以前は楽しめていたことに意欲が湧かない

44歳頃から感じ始めた「お風呂で号泣してしまう」「布団に入ると涙が止まらない」といった感情の変化。当時は単なるストレスだと思っていましたが、今思えばこれらは大切な「サイン」だったのだと思います。


■ でも、ここが違う!更年期とうつ病の異なる点

うつ病特有の症状

うつ病には、更年期症状にはあまり見られない特徴的な症状があるといわれています:

  • 深刻な自責観:自分を強く責める、罪悪感に苛まれる
  • 興味や喜びの著しい低下:何をしても楽しいと感じられない
  • 希●念慮:「生きていても仕方がない」と感じる、死について考えることが増える
  • 社会的な引きこもり傾向:人に会いたくない、外出したくないと感じる

46歳の春、4月26日にわたしを襲った強烈な不安感と希死念慮。これはまさにうつ病特有の症状でした。「自分じゃない”誰か”が、わたしの中の不安をどんどん大きくして、支配していくような感覚」と当時の記憶にあります。

更年期特有の症状

一方、更年期特有の症状に下記のようなものがあるといわれています:

  • ホットフラッシュ:突然の体の熱感や火照り、汗が噴き出す
  • のぼせ:顔や上半身が熱くなる感覚
  • 寝汗:夜間に大量の汗をかく
  • 生理不順:生理周期が乱れる、出血量が変化する
  • 膣の乾燥:膣内の不快感や性交痛
  • 体温調節の乱れ:「暑い・寒い」の感覚が不安定に

「脇汗と体温調節の乱れ」「首の冷えという矛盾」など、更年期特有の身体症状は、なかなか言葉にしにくいものでもありますよね。とくに春先は「日中は汗をかくのに、夕方になると首周りが急に冷えて、首こりや頭痛につながる」といった複雑な症状に悩まされています。


■ 自分の状態をチェックしてみよう

更年期チェック項目

以下の項目に3つ以上当てはまる場合は、婦人科を訪れることも可能性として入れてみては?

□ ホットフラッシュや寝汗が頻繁にある
□ 生理周期が乱れている
□ 体温調節がうまくいかない(暑かったり寒かったりする)
□ 突然の発汗がある
□ 脇汗や体臭が気になるようになった
□ 首や肩が冷えやすい
□ 記憶力や集中力の低下を感じる
□ イライラしやすくなった
□ 疲れやすくなった
□ 肌の乾燥が気になるようになった

うつ病チェック項目

以下の項目に3つ以上当てはまり、2週間以上続いている場合は、心療内科を訪れることも可能性として入れてみては?

□ ほとんど毎日、一日中憂うつな気分がある
□ 以前は楽しめたことが楽しめなくなった
□ 食欲の著しい変化(増加または減少)
□ 睡眠の問題(不眠または過眠)
□ 強い疲労感や無気力
□ 集中力や決断力の低下
□ 無価値感や過剰な罪悪感
□ 死について考えることがある
□ 人と会いたくないと思う
□ 何をするのも面倒に感じる


■ わたしの体験:「更年期」と「うつ」の境界線

42歳で不眠に襲われ、内科を受診したわたし。採血の結果、医師から告げられた衝撃の一言。

「60代の閉経後のホルモン量しかありませんよ」

この時からわたしの更年期治療がスタートしましたが、それでも心の不調は続きました。そして46歳の春、突然の強烈な不安発作に襲われ、心療内科にてうつ病の診断を受けることになります。

振り返ってみると、わたしの場合は「更年期による身体的変化」が先にあり、その後に「うつ症状」が出現。でも両者は明確に分けられるものではなく、互いに影響し合いながら症状を悪化させていったように思えます。


■ プロを頼る:婦人科・心療内科へ行くということ

わたしがいちばん伝えたいのは、「今のあなたの状態」を知るために、第三者のプロフェッショナルの視点を取り入れることの大切さです。

婦人科に行くハードル、わたしも高かったです

子どものいない私にとって、婦人科はなんだかハードルが高いことでした。ただ、

婦人科は女性の一生の健康を支えるところなんですよ」の一言で視点が変わったのです。

確かに、そう言われてみれば…!

初めて婦人科に行った時、緊張しましたが、想像していたよりもずっとふつうの診療でした。問診、血液検査、そしてわたしの話を聞いてくれる時間。

主治医によると「更年期症状は我慢するものじゃなく、ちゃんと治療できるもの」だそうです。「症状に合わせた漢方やホルモン補充療法など、選択肢はたくさんありますよ」と教えてもらい、少し希望が見えました。

心療内科探しの決め手

うつ症状が強くなった時、心療内科をどこにするか必死に探しました。はじめに思ったのは、女性特有の更年期などに理解があるところ。婦人科と連携してくれるところでした。Googleのコメントの「仕事」「更年期」「女性」などを参考に探し当てた主治医。今でもお世話になっています。

実際に心療内科を受診してみると、全員ふつうに見える患者さんたち。女性の主治医だからなのか、女性の患者さんが多くわたしの中では仲間のような気がして心強かったです。

主治医は「今の40代、50代の仕事をしている女性には、まだロールモデルがいないんです。なので、みんな手探り。いっしょに最適な道を探していきましょう」と言ってくれました。

医師からわたしが教えてもらった大切なこと

婦人科と心療内科の両方を受診する中で、医師から教えてもらった大切なことがあります。

  • 「自分を責めないで」:症状は身体と心の反応
  • 「できるだけ早く相談を」:早めの対処が症状の悪化を防ぐ鍵
  • 「あなただけじゃない」:多くの女性が似た経験をしている
  • 「選択肢はたくさんある」:漢方、カウンセリング、薬物療法など、自分に合った方法を見つけられる

「その悩みで日常生活に支障があるなら、それは立派な受診理由です。我慢する必要はありません」

休息が必要な時は。診断書も発行してもらえます。わたしも診断書を発行いただき、休職しました。


■ セルフケアも取り入れる

身体面でのセルフケア

  • 適度な運動:ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で
  • バランスの良い食事:とくにカルシウムや鉄分、ビタミンDの摂取を意識
  • 十分な睡眠:睡眠環境の整備(温度、湿度、光、音など)
  • アロマテラピー:ラベンダーやカモミールなどのリラックス効果のある香り

心理面でのセルフケア

  • 瞑想やマインドフルネス:呼吸に意識を向け、「今ここ」に集中する
  • 趣味や楽しみの時間:好きなことに取り組む時間を意識的に作る
  • 日記やジャーナリング:感情を言語化し、整理する
  • 人とのつながり:信頼できる人との交流を大切にする

また、わたしがとくに効果的だと感じたのは:

  • 「今日のMIT」の設定:その日に絶対やるべきことを1つだけ決める
  • 「休む」ことを恥じない:体調が優れない日は無理をせず休む
  • 日記やジャーナリング:こんなこと思ってたんだ、思っていいんだと自分に許可を出す

■ おわりに:プロと自分の二人三脚

更年期とうつ病。その境界線上にいるわたしたちが心に留めておきたいのは、誰かを巻き込むこと。自分だけで抱え込まず、婦人科や心療内科といった専門家の力を借りることで、思いがけない視点や解決策が見つかることも。実際、わたし自身も専門家に相談して初めて「これは更年期とうつのダブルパンチだったんだ」と気づくことができました。

「病院に行くほどではないかも」「我慢できそうだし」と思わずに、異変を感じたら受診してみる勇気を持つこと。それが、この時期を少しでも楽に乗り越えるための第一歩になると思っています。

みなさんは、更年期やうつ症状にどう向き合っていますか?あなたの体験や工夫を、ぜひコメント欄でシェアしてくれるとうれしいです。

「困難な日も、こんなんな日も」

── こんなんさん


※この記事についてのご感想や、あなた自身の体験談などがありましたら、ぜひコメント欄でシェアしてください。みなさんの声が、次の記事の励みになります。

*「こんなんな日も」とは、「こんなん出た」、「こんなんいるー?」など、関西弁から取りました。ただ、管理人は関西人ではありません…。

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
こんなんさん
こんなんさん
管理人
47歳のアラフィフです。42歳で突然の更年期と46歳でうつのダブルパンチに見舞われ、今も心療内科と婦人科にお世話になってます。気づくとホットフラッシュで汗だく、物忘れで「あれ?何しようとしてたっけ?」の連発。体のあちこちの変化に「え〜?」と驚きながらも、なんとか日々を過ごしてます。サイト名は関西弁風だけど、実は関西人じゃありません(笑)。同じような「見えない不調」で悩む同世代の皆さんと、分かち合えたらいいなと思ってます。
記事URLをコピーしました