いそがしさの中の「わずか時間」の作り方

いそがしさの中の「わずか時間」の作り方
〜更年期×うつ世代が実践する”ほんの少しの隙間時間”の使い方〜
「自分のための時間が全然取れない…」「家事も仕事も終わらなくて、自分をケアする余裕がない…」
「困難な日も、こんなんな日も」の管理人、こんなんさんです。
今回は、40〜50代の忙しい毎日を送るわたしたちが、どうやって「自分時間」を捻出し、心と体のメンテナンスに充てていくかについて考えてみたいと思います。
仕事、家事、時には介護や子育てなど、あれもこれもと抱え込みがちなわたしたち世代。でも、更年期症状やうつを抱えている時こそ、「自分を大切にする時間」が必要ですよね。
ほんの少しの隙間を「心と体のメンテナンス」に使っている、わたしの実践法をシェアします。
■ 「自分時間」がない!
あれもこれもの「多重負担」世代
40〜50代の女性の多くは、職場では中堅〜管理職、家庭では家事の担い手、さらに子育て、親の介護、地域や学校の役割など、様々な責任を同時に背負っています。
「仕事と家庭の両立」だけでも大変なのに、そこに更年期症状やうつの症状が加わると、本当に息つく暇もなくなってしまいますよね。
わたし自身、46歳でうつ病と診断される前は、「休むこと」に変な罪悪感を感じていました。「休んでいる場合じゃないじゃ」「もっとやれすんじゃ」という変な気負いが、常に頭の片隅にありました。
「自分より誰かを優先する」習慣が身についてる
ふと気づくと、わたしは常に「誰かのため」に時間を使っていました。
家族のため、職場のため、周囲の人のため…。
でも、「自分のため」の時間はほとんどゼロ。
これは、わたしたち世代の女性に刷り込まれてきた「他者優先」の価値観かもしれません。「自分よりも誰かのために尽くすことが美徳」とされてきた文化の中で育ってきたからこそ、「自分のための時間」を確保することに、どこか罪悪感を感じてしまう。
「自分時間」がないことで生じる問題
自分のための時間が慢性的に不足すると、こんな問題が:
- 心身の疲労蓄積:回復する時間がないまま疲労が積み重なる
- ストレスホルモンの増加:コルチゾールなどのストレスホルモンが常に高い状態になる
- 更年期症状の悪化:ホルモンバランスがさらに乱れやすくなる
- うつ症状の深刻化:心の回復力が低下し、症状が慢性化する危険性
- 自己価値感の低下:「自分は後でも大丈夫」という思い込みが強化される
これらの問題は、最終的に「燃え尽き症候群」や「心身の重篤な不調」につながる可能性もあります。わたし自身、それを身をもって経験しました。
■ 「5分」からはじめる心のメンテナンス術
「ゆったりとした自分時間」に白旗を
「自分時間」というと、2時間ほどスパッと空いた時間に、カフェでゆっくり読書…というような理想的なイメージがありますよね。でも、そんな時間はなかなか取れません。
だからこそ発想を変えて、「完璧な自分時間」ではなく「ちょっとした隙間時間」を自分のために使う習慣をつけることが大切です。
❶ 「朝の5分間ジャーナリング」
わたしが毎日欠かさず行っているのが、朝の5分間のジャーナリング。静かな朝時間に、小さなノートに3行だけ書きます。
- 今朝の気分(天気で表現:「晴れ」「曇り」「雨」など)
- 今日の体調(10点満点で何点か)
- 今日、自分のためにできそうなこと(1つだけ)
たったこれだけのことが、一日の始まりに「自分と向き合う時間」になり、心の整理に役立っています。体調や気分の波も記録できるので、後から振り返ると「あの頃はこんな状態だったんだ」と客観視するのにも役立ちます。
❷ 「通勤時間の異空間作り」
通勤時間を自分のための「メンタルメンテナンス時間」に変える工夫も取り入れています。
- ノイズキャンセリングイヤホンで周囲の音を遮断
- 癒し系の音楽や英語のポッドキャストを聴く
以前は通勤中もメールチェックや仕事の準備に使っていましたが、今は意識的に「自分と向き合う時間」「頭をリセットする時間」と位置づけています。
15〜20分の通勤時間でも、意識的に使うことで立派な「自分時間」になります。
❸ 「待ち時間の瞑想」
病院の待合室、電車の待ち時間、会議の開始前…日常には「待ち時間」がたくさんあります。
この短い待ち時間を使った「瞑想」が、わたしのお気に入りの心のメンテナンス方法です。
- 目の力を意識的に抜く
- 静かに3回ゆっくりと呼吸をする
- 頭の中で「今、ここ」と唱える
- 呼吸に意識を向けながら、緊張を手放したと意識する
最初は「これで意味あるの?」と思っていましたが、継続すると不思議と効果が実感できます。ほんの3分でも「脳のリセット」ができるようになってきました。
■ 体をいたわる「ニッチな時間」の使い方
更年期症状やうつ症状には、心のケアだけでなく「体のメンテナンス」も欠かせません。こちらも、長時間のスパは理想的ですが、日常生活のながらで解消しましょう。
❶ 「家事の合間ストレッチ」
家事の合間にできる簡単なストレッチを習慣化しています。
- 洗濯物を干しながら、足首のグルグル回し
- お皿を洗いながら、肩を回す動作
- お風呂掃除の後に、壁に手をつけてふくらはぎのストレッチ
わたしが意識しているのは「肩甲骨」周りのストレッチ。更年期になってから首・肩のこりがひどくなったので、家事の合間に「猫のポーズ」(背中を丸めたり反らしたり)をすることで、肩こりの軽減を図っています。
❷ 「ながらケア」をルーティンに
更年期世代の体にやさしい「ながらケア」をご紹介します。
- テレビを見ながらのふくらはぎマッサージ(足のむくみ改善)
- メールチェック中の骨盤底筋トレーニング(尿漏れ予防に)
- 料理中の「かかと上げ下げ」(下半身の血行促進)
おすすめなのが「骨盤底筋トレーニング」。デスクワーク中や会議中でも、誰にも気づかれずにできるので、日中に何度も取り入れています。尿漏れ予防だけでなく、骨盤内の血流改善にも役立つそうですよ。
❸ 「オフィスでこっそり」体調管理
職場でもできる、さりげない体調管理のコツをいくつかご紹介します:
- デスクの下でつま先立ち(むくみ解消)
- トイレ休憩をしっかり取る(我慢は膀胱炎のリスクも)
- 両手を温める(手先が温まると全身が温まる効果)
- 昼休みの5分間瞑想(短時間でも脳のリフレッシュに)
職場でのセルフケアで大切なのは「周囲に迷惑をかけない範囲」で行うこと。わたしの場合は、「健康管理の一環」と前向きに捉え、必要なケアをさりげなく取り入れる工夫をしています。人に見られない場所の確保も上手になりました。
■ 「見えないSOSサイン」に気づく感度を上げる
自分のための時間が足りないとき、心や体は様々なサインを出しているもの。そのサインに早く気づけるよう、「自分への感度」を上げることも大切です。
更年期×うつ世代の要注意サイン
わたしたち世代が注意すべき「SOS」サインをまとめてみました:
- 普段より涙もろくなる:映画やCMでも泣けてくる
- イライラが続く:小さなことでカッとなりやすい
- 疲れが取れない:休日に寝ても疲労感が残る
- 決断できない:些細なことでも決められず、迷う
- 体の痛みが増す:肩こり、腰痛、頭痛などが悪化
- 睡眠の質が低下:寝つきが悪い、途中で目覚める
- 趣味を楽しめない:好きなことに喜びを感じられない
これらのサインが出始めたら、それは「自分時間が足りていない」という体と心からのメッセージかもしれません。わたしの場合、「お風呂で泣ける」「朝起きる時の億劫さが増す」というのが重要なサインでした。
「自分と対話する時間」の大切さ
サインに気づくためには、定期的に「自分と対話する時間」を持つことが大切です。
- 週に一度、10分でもいいので「今の自分の状態」を振り返る時間を作る
- 「今、何が一番つらいか?」「何があれば楽になるか?」と自分に尋ねてみる
- 体の各部位に意識を向け、緊張や痛みがないかチェックする
「そんな暇ない!」と思うかもしれませんが、この「自分と対話する時間」こそが、長い目で見たときの「健康保険」になります。わたしは通勤電車の中で、毎朝3分間だけ「今日の自分の状態」をチェックする習慣をつけていますが、これがSOSサインに早く気づくことにつながっています。
■ おわりに:「自分を後回し」の習慣を手放す勇気
更年期とうつの症状に悩みながらも、忙しい日々を送るわたしたち世代。
「自分のための時間」は、贅沢でもわがままでもなく、心と体を健康に保つための「必須栄養素」だと言えるのではないでしょうか。
完璧な「自分時間」を求めるのではなく、日常の隙間時間を少しずつ自分のために使う習慣をつけること。そして、可能な範囲で「まとまった自分時間」も確保していくこと。
そのために、家族や職場との関係性も少しずつ調整していく勇気を持つこと。
何より大切なのは、「自分を大切にすることへの罪悪感」から解放されること。わたしたちは、「自分を後回しにする」習慣を長年身につけてきた世代かもしれませんが、その習慣を手放す時期が来ているのではないでしょうか。
自分を大切にすることは、周囲の人々を幸せにすることにもつながります。心と体のバランスを取り戻し、エネルギーに満ちた状態でこそ、わたしたちは家族や職場、社会により良い形で貢献できるのですから。
みなさんは、どんな「自分時間」を大切にしていますか?どんな小さなことでも、ぜひコメント欄でシェアしてください。あなたの工夫が、誰かの大きなヒントになるかもしれません。
「困難な日も、こんなんな日も」
── こんなんさん
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*「こんなんな日も」とは、「こんなん出た」、「こんなんいるー?」など、関西弁から取りました。ただ、管理人は関西人ではありません…。