夏が辛くなった40代女性へ|季節性うつの症状チェック法

夏が嫌いになった40代〜季節性うつと自律神経失調症のダブルパンチ〜
「夏バテ」で片付けられない、見えない心の不調
「困難な日も、こんなんな日も」の管理人、こんなんさんです。
「あれ?わたし、夏が嫌いになってる…」
そう気づいたのは今年の6月頃でした。子どもの頃は夏が一番好きな季節だったのに、40代に入ってから、なぜか夏が来るのが憂うつで仕方ない。「夏バテかな?」「年齢のせいかな?」と思っていましたが、どうやらそれだけではなさそうなんです。
季節性うつと言えば「冬に落ち込む」イメージが強いですよね。でも実は、夏に症状が悪化する「夏季うつ」というものもあるということを知りました。更年期と自律神経失調症を抱えるわたしたちにとって、夏は想像以上に過酷な季節だったんです。
今日は、40代で初めて経験した「夏が嫌いになる感覚」について、同じような違和感を抱えている方と一緒に考えていきたいと思います。
「夏が好きだった」わたしに何が起きたのか
子ども時代は夏が一番の楽しみだった
振り返ってみると、子どもの頃のわたしは典型的な「夏の子」でした。
- プールや海が大好きで、日焼けなんて気にしない
- 夏祭りや花火大会にワクワク
- 夏休みの開放感が何よりの楽しみ
- アイスクリームを食べながらの昼寝が至福
- 蝉の声を聞くと「夏が来た!」と心が躍る
20代、30代の頃も、夏は「エネルギッシュになる季節」でした。暑さにも強く、夏の日差しを浴びると元気が出る感覚がありました。
40代に入ってから変わった「夏への感情」
ところが、40代に入った頃から、徐々に夏に対する感情が変わってきました。
42歳頃から感じ始めた夏への違和感:
- 6月になると「また暑い季節が来る…」と憂うつになる
- 夏の日差しが「眩しすぎて」つらく感じる
- エアコンの効いた室内から出るのが億劫
- 夏のイベントや旅行に誘われても「暑いから嫌だな」が先に出る
- 蝉の声を聞くと「うるさい」と感じてしまう
最初は「年を取ったから暑さに弱くなったんだろう」程度に考えていました。でも、単なる暑さへの耐性の問題ではない気がしてきたんです。
更年期症状と重なり始めた夏の不調:
- ホットフラッシュが夏の暑さと重複して、より不快に
- 自律神経の乱れで、暑さへの適応がうまくいかない
- 夏の疲れが抜けず、常にだるい状態が続く
- 食欲不振が深刻になり、体重が落ちる
- 夜の寝苦しさで睡眠の質が著しく低下
47歳の今年は、特にこの傾向が強くなりました。梅雨明け前から「今年の夏、乗り切れるかな…」という不安が頭をよぎるようになったんです。
「夏季うつ」という見えない症状の実態
冬だけじゃない?季節性うつの真実
季節性うつと聞くと、多くの人が「冬季うつ病」を思い浮かべると思います。日照時間が短くなる冬に気分が落ち込む症状ですね。
でも実は、「夏季うつ病」(夏季季節性感情障害)というものも存在するんです。医学的にも認められている疾患で、夏の特有の環境要因が引き金となって発症します。
夏季うつの主な症状:
- 気分の落ち込み、憂うつ感
- 食欲不振、体重減少
- 不眠、睡眠の質の低下
- 疲労感、だるさ
- 集中力の低下
- イライラしやすくなる
- 社会的活動への意欲低下
これらの症状、「夏バテ」と似ていますよね。だからこそ見過ごされやすく、「夏だから仕方ない」で片付けられがちなんです。
更年期女性に夏季うつが起きやすい理由
更年期のわたしたちは、なぜ夏季うつになりやすいのでしょうか?
更年期と夏季うつの関係:
- ホルモンバランスの乱れ:エストロゲン減少で、季節変化への適応力が低下
- 自律神経の不安定さ:体温調節機能が乱れ、暑さへの対応が困難
- 睡眠障害の悪化:もともと更年期で睡眠が浅いところに、夏の寝苦しさが追い打ち
- ホットフラッシュとの相互作用:外気温の高さと体内の熱感が重複し、不快感が増強
- 社会的ストレスの増加:夏の疲れで仕事や家事の効率が落ち、それがストレスに
わたしの場合、特に「ホットフラッシュ×夏の暑さ」の組み合わせが最悪でした。ただでさえ急に体が熱くなるのに、外気温も高いとなると、もう逃げ場がない感じ…。
47歳の夏、わたしが経験した症状:
- 朝起きた時点で「今日も暑いのか…」という絶望感
- 午前中から疲労感が強く、やる気が起きない
- 冷房の効いた部屋から出ることへの強い抵抗感
- 夏らしい服装や活動への興味の喪失
- 「夏が終わればいいのに」という気持ちが常にある
自律神経失調症×夏の過酷な組み合わせ
体温調節機能の混乱が招く不調
自律神経失調症を抱えていると、夏の暑さが通常以上の負担となります。
健康な人の体温調節は、自律神経が環境温度に合わせて血管の拡張・収縮や発汗をコントロールしています。でも、自律神経が乱れていると、このコントロールがうまくいかないんです。
自律神経失調症による夏の不調:
- 体温調節の遅れ:暑さを感じてから体の冷却機能が働くまでに時間がかかる
- 過度な発汗:必要以上に汗をかいて体力を消耗
- 血管調節の異常:血管が適切に拡張せず、熱がこもりやすい
- 疲労の蓄積:体温調節にエネルギーを使いすぎて、日常活動に影響
- 頭痛・めまい:血流の変動により、脳への血流が不安定に
わたしが特に困るのは、エアコンの効いた室内と外気温の差です。健康な人なら数分で適応できる温度差も、自律神経が乱れていると30分以上かかることも…。
睡眠障害の悪化が全てを困難にする
夏の寝苦しさは、もともと更年期で乱れている睡眠をさらに悪化させます。
夏×更年期×自律神経失調症の睡眠問題:
- 入眠困難:暑さとホットフラッシュで寝つけない
- 中途覚醒の増加:夜中の汗で何度も目が覚める
- 早朝覚醒:朝の暑さで予定より早く目が覚めてしまう
- 熟睡感の欠如:浅い睡眠しか取れず、朝から疲れている
- 日中の眠気:夜眠れない分、昼間に強い眠気
睡眠不足は、うつ症状も自律神経の乱れも悪化させます。夏の終わり頃には、睡眠負債が蓄積して心身ともにボロボロ状態になってしまうんです。
わたしが試した「夏季うつ」対処法
完璧を目指さない環境調整
「夏を好きになろう」と無理するのをやめて、「いかに楽に過ごすか」にシフトしました。
実践している環境調整:
- エアコンの適切な使用:電気代を気にせず、快適温度(26-27度)をキープ
- 遮光カーテンの活用:昼間も薄暗い部屋で過ごす時間を作る
- 冷却グッズの常備:首に巻く冷感タオル、冷却ジェルシートなど
- 外出時間の調整:朝9時前、夕方6時以降の涼しい時間帯を選ぶ
- 服装の工夫:吸汗速乾素材、UV加工の長袖など
「夏らしい服装を楽しまなきゃ」「夏だから外に出なきゃ」という思い込みを手放したら、ずいぶん楽になりました。
食事と水分補給の見直し
食欲不振になりがちな夏ですが、栄養不足は症状を悪化させます。
夏の栄養対策:
- 少量多食:一度に食べられなくても、回数を増やして栄養補給
- 冷たすぎない食事:胃腸に負担をかけない程度の温度に
- 電解質の補給:経口補水液や薄めたスポーツドリンクを活用
- ビタミンB群の補強:夏バテ対策のサプリメントも併用
- タンパク質の確保:食べやすい豆腐、卵、魚を意識的に
わたしは朝食を「フルーツ+ヨーグルト+プロテイン」の組み合わせに変えました。食欲がない日でも、これなら食べられることが多いです。
心理的なアプローチ
「夏が嫌い」という気持ちを否定せず、受け入れることから始めました。
メンタルケアの工夫:
- 「夏が嫌いでもいい」という許可:無理に夏を楽しもうとしない
- 秋への楽しみを作る:9月以降の予定を立てて希望を持つ
- 室内での楽しみを増やす:読書、映画鑑賞、手芸など
- 同じ悩みを持つ人との交流:SNSやコミュニティでの情報交換
- 医療機関への相談:症状が重い時は専門家のサポートを求める
特に効果があったのは、「夏が嫌いな自分を否定しない」ことでした。「昔は好きだったのに…」と自分を責めるのをやめたら、心が軽くなりました。
医療機関での相談も選択肢に
「夏バテ」で片付けずに専門家に相談
夏季うつは、単なる夏バテとは異なる疾患です。症状が重い場合や日常生活に支障をきたす場合は、医療機関への相談も大切です。
受診を検討すべき症状:
- 夏の間ずっと気分が落ち込んでいる
- 食欲不振で体重が大幅に減少
- 不眠が2週間以上続いている
- 仕事や家事に支障をきたしている
- 自傷行為や希死念慮がある
わたしも今年は心療内科で相談し、軽い睡眠導入剤を処方してもらいました。「夏だから仕方ない」と我慢せず、適切なサポートを受けることで、症状は大きく改善しました。
更年期外来での総合的な治療
夏季うつが更年期症状と関連している場合は、婦人科の更年期外来での相談も有効です。
更年期外来でのアプローチ:
- ホルモンバランスの検査と調整
- 漢方薬による体質改善
- 自律神経を整える治療
- 生活指導とカウンセリング
- 他科(心療内科など)との連携
複合的な症状だからこそ、総合的な治療アプローチが効果的なこともあります。
「夏が嫌い」でもいいじゃない〜新しい夏の過ごし方〜
季節に合わせて変化する自分を受け入れる
20代の頃の「夏大好き!」な自分と、47歳の「夏が苦手」な今の自分。どちらも本当のわたしです。
年齢を重ね、体の変化に伴って季節への感じ方が変わるのは、自然なこと。それを「劣化」ではなく「変化」として受け入れることで、心が楽になりました。
新しい夏の楽しみ方:
- 室内での夏らしさ:かき氷を家で食べる、夏野菜の料理を楽しむ
- 朝夕の涼しい時間:早朝散歩や夕涼みで季節感を味わう
- 夏の終わりを楽しみにする:秋のファッションや食材への期待
- エアコンの恩恵に感謝:快適な室内環境をポジティブに捉える
- 体調管理を優先:無理をしない夏の過ごし方を確立
同世代との共感と支え合い
「夏が嫌いになった」という話をすると、同世代の女性から「わかる!」という反応をもらうことが多いです。
みんな同じような変化を経験しているんですね。一人で抱え込まず、同じ悩みを持つ仲間と支え合うことで、この季節も乗り切れるはずです。
おわりに:変化する自分との新しい付き合い方
「夏が嫌いになった40代の自分」を最初は受け入れられませんでした。でも、その変化には理由があったんです。更年期、自律神経失調症、そして年齢的な体の変化…すべてが関係していました。
夏季うつや夏への苦手意識は、決して「甘え」や「わがまま」ではありません。体と心からの大切なメッセージなんです。そのメッセージに耳を傾け、無理をせず、自分なりの対処法を見つけていくことが大切だと思います。
「昔は違ったのに…」と過去の自分と比較するのではなく、「今の自分にはこういうケアが必要」と前向きに捉える。そんな風に考え方を変えるだけで、夏との付き合い方も変わってきます。
同じような違和感を抱えている方がいらしたら、一人で抱え込まずに誰かに相談してみてください。そして、「夏が嫌いでもいい」という許可を自分に出してあげてください。
わたしたちは今、人生の大きな変化の時期にいます。その変化を責めるのではなく、変化に合わせて生き方を調整していく。それが、更年期を賢く乗り切る知恵なのかもしれません。
みなさんは、季節に対する感じ方に変化はありますか?どんな工夫をして夏を過ごしていますか?良かったら、コメント欄でシェアしてくださいね。
「困難な日も、こんなんな日も」
── こんなんさん
※この記事についてのご感想や、あなた自身の体験談などがありましたら、ぜひコメント欄でシェアしてください。みなさんの声が、次の記事の励みになります。
*「こんなんな日も」とは、「こんなん出た」、「こんなんいるー?」など、関西弁から取りました。ただ、管理人は関西人ではありません…。
⚠️ 免責事項 ⚠️
本記事の内容は、管理人の個人的な体験談であり、医学的なアドバイスや診断に代わるものではありません。更年期の症状や対処法には個人差があります。心配な症状がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師にご相談ください。
参考文献・出典
- 6月~9月にかけてうつ状態となる、季節性感情障害(SAD)の1つ 夏季うつ | Medical Terrace
- 更年期障害の症状・原因|くすりと健康の情報局
- 更年期にホルモンバランスは変化する!自律神経の乱れを整える食べ物やハーブとは|大正健康ナビ
- 自律神経失調による症状|公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会
- 更年期障害の症状と原因|更年期ラボ