更年期の夏バテがひどい理由|去年と違う疲労感の正体

去年と体力が違う夏〜更年期の疲れやすい症状を受け入れる〜
「あれ?こんなにしんどかったっけ?」の正体を探る
「困難な日も、こんなんな日も」の管理人、こんなんさんです。
先週、久しぶりに友人と夏のお出かけをしました。去年も同じ場所に行ったのですが…「あれ?こんなにしんどかったっけ?」と愕然。歩く距離も時間も去年と同じなのに、今年は途中で何度も休憩が必要に。帰宅後はぐったり、翌日まで疲れが残りました。
「たった1年で、こんなに体力が変わるもの?」と戸惑いながら、ふと気づいたんです。これが更年期の「疲れやすさ」の正体なのかもしれません。
47歳のわたし、更年期真っ只中。体の変化は実感していたけれど、「疲れやすさ」がこんなに顕著に現れるとは想像していませんでした。最初は「情けない」「歳を取った証拠」と落ち込みましたが、今は「体の声に従って生きよう」と思えるようになったんです。
今日は、更年期による疲れやすさの理由と、それを受け入れながら夏を過ごす知恵について、お話ししたいと思います。
なぜ更年期になると疲れやすくなるの?〜体の仕組みから理解する〜
エストロゲン減少が引き起こす疲労のメカニズム
「なんで去年は平気だったのに、今年は…?」この疑問の答えは、エストロゲン(女性ホルモン)の減少にありました。
エストロゲンは、実は全身のエネルギー代謝に深く関わっています。このホルモンが減ると、細胞レベルでのエネルギー産生効率が低下し、同じ活動をしても疲れやすくなるんです。
エストロゲン減少による疲労への影響:
- ミトコンドリア機能の低下:細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの働きが悪くなる
- 筋肉量の減少:筋タンパク質の合成が低下し、基礎代謝も下がる
- 自律神経の乱れ:体温調節や循環機能が不安定になる
- 睡眠の質低下:深い眠りが得られず、疲労回復が不十分に
- 鉄分の吸収低下:酸素運搬能力が下がり、疲れやすさが増す
わたしの場合、42歳頃から「階段がつらい」「夕方になると極端に疲れる」といった症状が現れ始めました。当時は「運動不足かな?」と思っていましたが、今思えばホルモン変化の始まりだったんですね。
夏特有の疲労増強要因
更年期の疲れやすさに、夏の環境要因が加わると、疲労感はさらに増します。
夏が更年期疲労を悪化させる理由:
- 体温調節機能の負担増:ホットフラッシュと外気温の両方で体温調節システムがオーバーワーク
- 脱水による血流悪化:水分不足で血液がドロドロになり、酸素や栄養の運搬効率が低下
- 睡眠の質低下:暑さによる睡眠不足で、疲労回復が追いつかない
- 食欲低下による栄養不足:暑さで食が細くなり、エネルギー源が不足
- エアコンによる自律神経の混乱:室内外の温度差で体のリズムが崩れる
特にエアコンの影響は深刻です。27度設定のオフィスでも汗が止まらないホットフラッシュ、外に出れば35度の猛暑。この極端な温度差に、更年期で不安定な自律神経が対応しきれず、常に「戦闘モード」状態になってしまうんです。
「がんばれない自分」を責めないで〜受け入れることの大切さ〜
「去年はできたのに…」という罪悪感との向き合い方
友人とのお出かけの帰り道、「去年は全然平気だったのに、今年はこんなに疲れるなんて…」と自分を責めそうになりました。でも、ふと考えてみたんです。体が変わっているのに、同じことを求める方がおかしいのかもしれません。
体力低下を受け入れる心のステップ:
- 変化を認める:「体が変わった」という事実を素直に受け入れる
- 比較をやめる:過去の自分や他人との比較から距離を置く
- 新しい基準を作る:今の体力を基準とした活動レベルを設定
- 小さな達成を認める:できたことに焦点を当てて自分を褒める
- サポートを受け入れる:一人で頑張らず、周囲の助けを素直に受ける
わたしが転換点を迎えたのは、職場の先輩(55歳)との会話でした。「40代後半からが本格的な更年期よ。体力が落ちるのは当たり前。無理したらあかん」と言われて、ストンと腑に落ちたんです。
「できない」ではなく「今日はこれで十分」思考
以前のわたしは、計画通りにいかないと「できなかった」「ダメだった」と考えがちでした。でも最近は「今日はこれで十分」と思えるようになりました。
思考の転換例:
- 以前:「予定の半分しか歩けなかった」→ 今:「無理せず途中で休めて良かった」
- 以前:「疲れて夕飯の準備ができない」→ 今:「今日はお惣菜で家族に感謝」
- 以前:「週末も疲れて動けない」→ 今:「体が休息を求めているサイン」
- 以前:「友人との約束をキャンセル」→ 今:「体調管理も大切な友情」
この思考転換により、罪悪感が減り、ストレスによる追加的な疲労も軽減されました。更年期の疲れは一時的なもの。今の自分を受け入れることで、かえって心は軽やかになるものです。
疲れやすい夏を乗り切る実践的工夫〜わたし流サバイバル術〜
エネルギー配分の「家計簿」作戦
体力を「お金」のように考えて、一日のエネルギー配分を計画的に行うようになりました。
わたしのエネルギー家計簿(夏ver.):
朝の部(30%):
- 涼しい時間帯の活動に重点配分
- 重要な用事や外出は午前中に集約
- 朝食でしっかりエネルギー補給
昼の部(40%):
- 屋内作業中心にシフト
- エアコンの効いた環境で効率的に
- 昼食後は必ず15分の休憩時間を確保
夕方の部(20%):
- 軽い活動のみ
- 買い物や散歩程度
- 夕食準備は簡単メニュー中心
夜の部(10%):
- リラックス&回復の時間
- 入浴とスキンケア
- 翌日の体力温存
この配分により、一日を通じて「エネルギー切れ」を起こすことが大幅に減りました。
「サボり」ではなく「効率化」という発想転換
以前は手抜きに罪悪感を感じていましたが、今は「効率化」「スマートな選択」と捉えるようになりました。
わたしの夏の効率化リスト:
家事の効率化:
- 洗濯は夜にセットして朝干す
- 掃除機の代わりにお掃除シートを活用
- 冷凍食品や半調理品を罪悪感なく使用
- 食器洗い機や時短家電をフル活用
- 買い物はネットスーパーも併用
外出の効率化:
- 用事は同じエリアで一度にまとめる
- 涼しい時間帯や涼しい場所を選ぶ
- 交通機関を積極的に利用
- 歩く距離を意識的に短縮
- 日陰や屋内ルートを事前にチェック
仕事の効率化:
- 重要なタスクは午前中に集中
- 会議はオンライン併用で移動時間短縮
- 資料作成は涼しい時間帯に
- 外回りは最小限に抑制
- 休憩時間は確実に取る
これらの工夫により、同じ成果を上げながら疲労を大幅に軽減できました。
水分補給と栄養管理の見直し
更年期の夏は、普通の夏以上に水分と栄養の管理が重要だと実感しています。
効果的な水分補給法:
- 起床時:常温の水をコップ1杯
- 午前中:1時間おきに150mlの水分摂取
- 昼食時:味噌汁やスープで塩分とともに水分補給
- 午後:ハーブティーやノンカフェイン飲料
- 入浴前後:必ず水分補給
- 就寝前:少量の水(頻尿対策で量は調整)
疲労回復に効く栄養素:
- ビタミンB群:エネルギー代謝をサポート(豚肉、レバー、玄米)
- 鉄分:酸素運搬能力向上(レバー、ほうれん草、貝類)
- クエン酸:疲労物質の分解促進(梅干し、レモン、酢)
- タンパク質:筋肉量維持(卵、魚、大豆製品)
- マグネシウム:神経・筋肉機能調整(ナッツ類、海藻)
特にわたしが意識しているのは、「疲れた時こそタンパク質」。以前は疲れると甘いものに手が伸びていましたが、今はゆで卵やナッツ類を常備しています。
疲れやすさと上手に付き合う心構え〜長期的視点で考える〜
「一時的な変化」として捉える
更年期の疲れやすさは永続的なものではありません。ホルモンバランスが安定してくると、症状も軽減することが多いのです。
長期的視点での心構え:
- 今は変化の時期:体が新しい状態に適応しようとしている
- 数年後には安定:多くの女性が60代頃には症状が軽減
- 今のケアが将来を左右:無理をしないことが長期的な健康につながる
- 新しい自分の発見:体力以外の能力に気づくチャンス
- 人生の再設計機会:価値観や生活スタイルを見直すタイミング
「去年と違う」ことに落ち込むより、「今年の自分らしい過ごし方を見つけよう」と前向きに捉えるようになりました。
「できることリスト」の作成
「できないこと」ばかりに注目するのではなく、「できること」に焦点を当てることで、自己肯定感を保てます。
わたしの「夏でもできることリスト」:
- エアコンの効いた室内での読書
- オンラインでの友人との交流
- 早朝の軽い散歩(涼しい時間帯限定)
- 手作りの冷たいスイーツ作り
- プール(水中運動)での軽いエクササイズ
- ネットショッピングでの効率的な買い物
- 映画鑑賞やドラマ視聴でのリラックス時間
- アロマテラピーやマッサージでのセルフケア
このリストを見返すと、「案外いろいろできてるじゃない」と思えて、気持ちが明るくなります。
おわりに:体の声を聞いて生きる新しいスタイル
去年と体力が違う夏—最初はショックでしたが、今では「体が教えてくれる新しい生き方」だと思えるようになりました。
無理をして体調を崩すより、体力に合わせてペースを落とす方が、結果的に充実した毎日を送れています。疲れを感じたら素直に休み、できることを無理のない範囲でやる。この単純なことが、なぜか以前はできなかったんです。
更年期は、確かに体の変化期です。でも同時に、「今までのやり方を見直すチャンス」でもあります。体力が落ちた分、効率化や工夫力が身につきました。人に頼ることで、周囲との関係もより深くなりました。
「歳を取った」と嘆くより、「体の声を聞けるようになった」と考えてみませんか?体力の変化は、人生の新しいステージへの移行期。この変化を受け入れながら、自分らしい夏の過ごし方を見つけていけたらいいですね。
同じように疲れやすさを感じている皆さん、どんな工夫をしていますか?「これは効果的だった」という方法があれば、ぜひコメント欄で教えてください。みんなで知恵を共有して、更年期の夏を乗り切りましょう!
「困難な日も、こんなんな日も」
── こんなんさん
※この記事についてのご感想や、あなた自身の体験談などがありましたら、ぜひコメント欄でシェアしてください。みなさんの声が、次の記事の励みになります。
*「こんなんな日も」とは、「こんなん出た」、「こんなんいるー?」など、関西弁から取りました。ただ、管理人は関西人ではありません…。
⚠️ 免責事項 ⚠️
本記事の内容は、管理人の個人的な体験談であり、医学的なアドバイスや診断に代わるものではありません。更年期の症状や対処法には個人差があります。心配な症状がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師にご相談ください。
参考文献・出典
- 更年期障害 – 日本産科婦人科学会
- 女性ホルモンとの付き合い方|女性の健康推進プロジェクト – 大塚製薬
- 更年期障害の症状・原因|くすりと健康の情報局 – 第一三共ヘルスケア
- 更年期|女性特有の健康課題|働く女性の心とからだの応援サイト – 厚生労働省
- 女性の健康づくり|厚生労働省